小児科とは
小児期(お子さま)にみられる身体の異常を中心に診療する診療科になります。
主に小児科外来では、新生児から15歳くらい(中学生)までのお子さまを対象としていますが、特定の病気(花粉症などの慢性疾患)の場合は15歳以降(高校生)でも診察可能です。
小児と大人(成人)との違いには、見た目以上に大きなものがあります。
その違いには、小児期特有の「こころと体の未熟さ」が関与しています。
そのため、小児科診療ではより注意深く、専門的な診察が必要になります。
小児科でよくみられる発熱を伴う感染症
小児科外来で診療の対象となる感染症は、流行性と非流行性に分けることができます。
特に流行性の感染症は、保育園や学校での感染流行が問題となります。
流行性の感染症
- 主に発熱と気道症状:インフルエンザウイルス、コロナウイルス、溶連菌、アデノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、マイコプラズマなど
- 主に嘔吐と下痢:ウイルス性胃腸炎(ノロウイルス・ロタウイルスなど)、細菌性胃腸炎(サルモレラ、カンピロバクターなど)
- 主に皮膚の症状:とびひ(伝染性膿痂疹)、みずぼうそう(水痘)、みずいぼなど
非流行性の感染症では、急性中耳炎や細菌性肺炎、尿路感染症などが有名です。
非流行性の感染症では、適切な治療(抗菌薬)が必要な場合があり、一部重症な症例では入院での治療が適応される場合もあります。
また、流行性の感染症から非流行性の感染症へ移行することもあり、長引く風邪の場合には注意が必要です。
一応、小児科外来で指導を行っている「発熱時に受診を考慮するポイント」と、「解熱剤の使用方法」についてまとめておきます。
発熱時に受診を考慮するポイント
Point1:飲食ができない
水分や食事が摂取できない場合には点滴が必要になります。受診してください。点滴でも改善が見込めない場合には入院が必要になってきます。
Point2:咳で夜ねむれない、咳き込んで吐くことが多い
急性肺炎や気管支炎を疑うため受診が必要です。血中の酸素飽和度を測りましょう。血中の酸素が足りない場合には入院が必要になってきます。
Point3:ぐったりしている、歩けない、機嫌が悪い
体がだるい、痛いのサインです。特に耳の痛みは中耳炎を疑うため、小児科または耳鼻科の診察を受けてください。
当クリニックでは、特にぐったりして歩けない場合に重症リスクが高いと判断して血液検査を提案させていただきます。
当クリニックでは少量の血液で検査が可能なので、もしご希望の場合にはご相談ください。
Point4:高熱(>38.5度)が48時間以上続いている
特に小さいお子様(乳幼児)で、診断がつかず高熱が持続する場合には受診することを検討してください。時々尿路感染が見つかります。
Point5:生後3か月未満の発熱*
生後3か月未満は母の免疫で守れています。それでも発熱する場合には危険な感染症の可能性もあるため受診してください。
*Point5の場合、比較的緊急性が高いと判断されるため、救急外来への受診も検討してください。
Point6:こどもは元気そうだけど心配な場合
不安な場合はぜひ当クリニックへ受診してください。
*あくまで目安としてのポイントなので、患者様によって指導内容が変化します。そのため、どのタイミングであっても一度は受診を検討していただくのが良いと思います。
解熱剤の使用方法
- 使用上の基本ルール:体温が38.5度以上、6時間以上あけて追加可能、1日4回まで
- 使用タイミング1:ぐったりしている時・機嫌が悪い時
- 使用タイミング2:ご飯の前
- 使用タイミング3:眠る前
使用の基本的なルールは薬剤師から説明があると思いますが、使用タイミングの指導については施設によって異なる場合があります。
当クリニックでは、上記の3つのタイミングで使用することを提案しております。
特にご飯の前や眠る前に解熱剤を投与することで、食事量や睡眠の質が改善することを目指します。これらが保たれていれば、発熱があっても比較的楽になると思います。
ちなみに、解熱剤を使用しても体温は0.5度から1度程度しか下がりません。
そのため、使用後の状態を注意して観察してください。解熱剤の使用で多少でも元気になれば良いですが、ぐったりが続く様であれば受診することも検討してください。
小児科でよくみられる咳症状
発熱と同じく小児科でよく診られる症状として咳があります。
咳の症状は大きく二つに区別して考えましょう。
- 急性(急に悪くなる):気管支喘息急性増悪、クループ症候群、食物アレルギー(アナフィラキシー)など
- 慢性(だらだら続く):気管支喘息、花粉症、副鼻腔炎、お風邪の後遺症、チック障害など
急性の咳の場合、さらに上気道(鼻〜声門)由来と下気道(気管〜肺)由来に分類されます。
上気道の障害で有名なのがクループ症候群でオットセイの様な咳が特徴的です。
下気道の障害で有名なのが気管支喘息でゼイゼイ・ヒューヒュー音がするのが特徴的です。
アレルギーに関しては、上気道と下気道のどちらの障害も起こり得るので注意が必要です。
これらの急性の咳では、ともに夜間に悪化するといった特徴がありますが、特に下気道では咳の割に酸素飽和度の低下が目立ち、上気道では酸素飽和度が低下が目立ちません。
よって、入院管理が必要となる咳は下気道の障害(気管支喘息、肺炎など)が必然的に多くなってきます。ただし、上気道の障害によって酸素飽和度が低下する場合には「窒息」を疑うことになるため、緊急度(重症度)が格段に上昇することにご注意ください。
このように急性の咳では、急に状態が悪化する場合があり、早期の受診が必要になります。
特に、咳き込んで眠れない、咳き込んで嘔吐してしまうほどの咳症状がある場合には、体内の酸素(酸素飽和度)が低下している可能性があります。できる限り早期に診療所などの医療機関へ受診し、酸素飽和度をチェックしてもらってください。
慢性の咳では、長引く咳によって生活の質が低下することがあるため、こちらも一度受診することをお勧めします。
緊急性のない場合が多いですが、咳のせいで夜途中で起きてしまう、授業に集中できないなどの不都合が起きてきます。命に別状がないとしても、健やかな成長を阻害する場合があるため軽視することはできません。
当クリニックでは、急性の咳に伴う臨時の受診や慢性の咳に対する相談も受け付けております。
お子様の咳でお悩みの場合にはぜひご相談ください。
小児科でよくみられる胃腸症状(嘔吐、下痢、腹痛)
小児科でよく診察される症状として胃腸症状(嘔吐と下痢、腹痛)は外せません。
ただし、小児科において嘔吐の原因となる疾患は、感染性胃腸炎(細菌性、ウイルス性)だけでなく、緊急度の高い疾患(虫垂炎、腸重積など)やその他の疾患(ケトン血性嘔吐症、アレルギーなど)といった様々なものがあります。
そのため、本項では「医療機関の受診を考える胃腸症状」についてまとめさせていただきます。
医療機関の受診を考える胃腸症状
【嘔吐】
- 頻回の嘔吐、飲水・哺乳後に全て嘔吐してしまう
- 緑色の嘔吐物
- 嘔吐後に顔色不良・活気がない
- 12時間以上おしっこが出ない
【便の症状】
- 血液のように赤い便
- 白い便(特に新生児〜生後1か月)
- 数日間排便がない
【腹痛】
- 歩けないほどの腹痛、歩くと腹痛が悪化する
- 右下腹部の腹痛
- お腹を手で押した時よりも、手を離した時の方が痛い
- 周期的で、強い腹痛(乳幼児の場合は啼泣・不機嫌)
*上記の特徴はあくまで目安として考えていただき、お子様の状態が良くないと判断した際には医療機関へご相談いただいた方が良いと思われます。
*また、赤字で記載したものについては緊急性のある疾患を考えるため、救急外来への受診も検討してください。もし、受診するかを迷うのであれば小児救急電話相談(#8000)へ相談することも有効な手段です。