乳幼児健診と育児相談
乳幼児健診は母子健康法に基づいて実施され、「1歳6か月児健診」と「3歳児健診」は法的に義務付けられているため、自治体が主体となって行います。
それ以外の期間、いわゆる乳児期においても、各自治体は公費負担で健診を実施しています。
名古屋市の乳幼児健康診査について詳しくはこちらをご確認ください。
乳児一般健康診査(生後1か月からOKです)については、当クリニックで対応可能ですので、お気軽にご相談ください。
生後1か月健診までにチェックしておきたいこと
【哺乳の種類(母乳・ミルク)】
完全母乳栄養または混合栄養の方:ビタミンD不足の可能性があります。サプリの使用を推奨します。
完全ミルク栄養の方:ビタミンD不足の可能性は低いため、サプリの使用は不要です。
*当クリニックでは、2025年の日本小児科学会からの提言を根拠として、完全母乳栄養または混合栄養のお子様を対象にビタミンDの補充を推奨させていただいております。
【哺乳の時間・回数】
1回の哺乳時間が20分以上:哺乳瓶の乳首が合っていない、母乳の出る量が少ないといった問題がある可能性があります。
1日の哺乳回数が10回以上:1回の哺乳量が少ない可能性があります。ミルクを追加するなどの工夫があると哺乳間隔が少し伸びるかもしれません。
【便の回数・色】
便の色が白〜クリーム色:病気が隠れている可能性があるため早めに受診を検討してください。
便の回数が1日1回未満:排便・排ガスの回数が少ないとお腹が苦しくなりやすいです。お腹が苦しそうなら綿棒浣腸などで排便・排ガスを促してあげてください。
【肌の色】
黄色:新生児黄疸が長引く場合は治療が必要になることがあります。一度診察を受けてください。
また、乳児健診だけでなく、育児相談についても行なっております。
「正常なのか、異常なのかわからない」「医者に聞いて良いのかわからない」そんなちょっとしたお悩みでも丁寧に対応させていただきます。
よくある乳児の子育て相談
これらの相談以外でも不安なことがあればお聞きください。
相談1:ゲップが苦手、ミルクを吐く
乳児の相談で一番多いお悩みのひとつです。
特に初めてのお子様の場合はゲップが難しいことが多いと思います。
ただ、最初に言っておきたいのが「体重が適切に増えているのであれば、ゲップが苦手でも、ミルクを吐いても問題はないことが多い」ということです。
なので、多少ゲップが苦手でも、ミルクの吐き戻しがあったとしても安心して哺乳を続けてください。
それを念頭に、もしご不安であれば以下の方法を試してみてください。
①哺乳の途中でゲップをさせてみる
お腹がいっぱいになりすぎると苦しくなってミルクを吐いてしまいます。
途中でゲップをさせるとお腹の圧が下がってミルクの吐き戻しが減るかもしれません。
②哺乳後に縦抱っこで様子を見た後にゲップをさせてみる
哺乳後はどうしても胃の中に空気の泡が溜まります。
縦に抱っこにすることで胃の入り口に空気を移動させてからゲップをさせる工夫も可能です。
ただし、正直、上記のような工夫を行なってもゲップがまったくでないお子様もいます。その際には、「こういう子なんだな」と理解してあげることも大切かと思います。
体重が増えない、下痢が多い、飲んだ分すべて吐いてしまう、吐いた時にぐったりしていまうなどの異常があればすぐに小児科(当クリニックも対応可能です)を受診してください。
乳児の成長につきましては当クリニックでも身長・体重の測定を行なっておりますので、ご相談ください。その際にゲップのさせ方など指導も行わせていただきます。
相談2:うんちが出ない、お腹が苦しそう
実は、脱気不良(ゲップがにがて)は色々な症状を引き起こすことがあります。
大腸にガスが多くなると動きが鈍くなって便秘傾向になります。
また、ガスでお腹の圧が高まると肺を圧迫して息苦しそうになってしまいます。
前述の通り、体重が増えていれば問題がないことが多いのですが、苦しいのがかわいそうと思うのであれば以下のことをまず試してみてください。
①空気をたくさん飲んでいる理由を探す
・乳頭保護器や哺乳瓶の乳首(穴の大きさなど)がお子様にあっていないと、多くの空気を飲んでしまいます。ミルクで溺れているような様子や、哺乳時間が長い(20分以上)の場合には注意が必要です。
②ゲップを頑張る(空気を上から出す)
・哺乳の途中で一度ゲップさせる
・哺乳後のゲップ前に少しの間、縦抱っこする
③便やガスの排出を促す(空気を下から出す)
・綿棒浣腸(綿棒を肛門の入り口にいれて、「の」の字を書くように刺激する)
軽いものであればご自宅でも対応可能ですが、もし症状がひどい(かもしれない)と不安にお思いでしたら一度当クリニックへご相談ください。
当クリニックでは腹部超音波検査も可能ですので、必要に応じて精査させていただきます。
相談3:うんちの色が気になる
うんちの色は、うんちがお腹のなかにいた時間で変わります。
飲んだ後、便がスムーズに腸をすすむと「黄色」、便秘気味でゆっくりすすむと「茶色」になっていきます。ちなみに、便の硬さも便秘気味だと硬くなっていきます。
ただし、便の色が「白・灰色」「赤」「黒」であった場合は病気の可能性があります。
お子様の便の色で心配なことがありましたら、当クリニックへご相談ください。
また、便の色の相談をする場合には、便の実物と排便直後の写真(時間がたつと色が変わってみえます)を準備していただくと医師が判断しやすく大変助かります。
相談4:肌が黄色い気がする
新生児から乳児期早期には生理的に肌が黄色くなる(黄疸)があります。
黄疸は肝臓で生成されるビリルビンが皮膚に沈着することで起こり、新生児の場合、軽度であれば特に問題となることはありません。
ただし、このビリルビンが多いと皮膚だけでなく、脳にも沈着して核黄疸という脳の障害を起こす場合があります。
当クリニックでは皮膚の色でビリルビンを測定する機器を導入しております。お子様の皮膚が黄色い気がすると不安にお思いであればぜひご相談ください。
相談5:鼻がつまっている気がする
赤ちゃんの鼻の空洞(鼻腔)はとても狭く、ちょっとしたむくみでも狭くなってしまいます。
鼻が詰まっているような気がしたとしても、哺乳時に苦しくなく、顔色も悪くない(チアノーゼなどがない)場合には特に問題がないことが多いです。
仮にご自宅で鼻吸引を試す場合には、鼻腔を傷つけないように(余計に鼻腔がむくみます)に無理をせずに行なってください。
当クリニックでは赤ちゃんの鼻吸引を行うことが可能です。
また、赤ちゃんが飲める鼻のお薬も提案させていただきますので、お子様の鼻症状でお悩みの場合は当クリニックへご相談ください。
相談6:おへそがジュクジュクしている
赤ちゃんのおへそのジュクジュクは、臍の緒の端(臍肉芽)がまだ残っている時に多い症状です。
未熟な血管が残っているためにそこからジュクジュクとした液が滲み出てきます。
以前では硝酸銀で焼く方法が一般的でしたが、近年では「食塩散布療法」をすすめる施設が増えてきています。
臍肉芽に対する食塩散布療法
Step1:お風呂などでおへそ洗い流して清潔な状態にする
Step2:食塩を綿棒などを使用して臍肉芽に塗り込む
Step3:テープやガーゼでおへそを保護して20〜30分程度放置する*
Step4:時間がたったら、ぬるま湯や濡らしたガーゼできれいに洗い流し、水分を拭き取って乾燥させる*
*食塩を長く放置した場合、洗い流しが不十分な場合は皮膚炎につながるので注意が必要です。
上記のStepを1日1〜2回行うと数日〜1週間程度で臍肉芽が変色して脱落します。
上記の食塩散布療法はご自宅で可能な処置になりますが、自己判断で開始する前に一度小児科の受診を受けることをお勧めします。
感染症などの合併がある場合には、適切な治療を行はないと症状が悪化することがあります。特に出血が多い場合、周囲に赤みを伴う場合、強い臭いや黄色い膿が続く場合には必ず相談してください。
当クリニックでも赤ちゃんの臍のジュクジュクについて診察を行なっておりますので、お悩みの場合はご相談ください。
相談7:でべそが気になる
赤ちゃんのでべそは「臍ヘルニア」と呼ばれています。
特別な処置を行わない場合でも1歳までに約80%、2歳までに約90%が自然に治ると言われています。
ただ、2歳までによくならなかった場合には小児外科での治療が必要になることがあります。そのため、一度は小児科で診察してもらうことをお勧めしています。
ちなみに、当クリニックでは臍ヘルニアのお子様に、ご自宅でできる「臍の圧迫療法」を提案させていただいております。
臍ヘルニアをガーゼなどで圧迫して腹腔内に戻すことで、余った皮膚が縮むのを待つ治療になります。
もし、治療方法などでご心配があるのであれば、ぜひ当クリニックへご相談ください。
相談8:寝ている時にビクッとすることがある
眠っている時に突然起こる、短時間の四肢の動きで、睡眠時ミオクローヌスと呼ばれています。
基本的には生理的な反応であり、問題がないことが多いと言われています。
ただし、一部のてんかん(乳児スパズム、West症候群)でも似た症状がでることがあります。
一応睡眠時ミオクローヌスには、①眠った時のみに動作が起こる、②軽く手足にふれるだけでも動作が起きなくなる、③動作の後も起きずに眠っているなどといった特徴があるため、てんかんとの区別は可能です。
ただし、上記のてんかんは決して見逃してはいけない病気なうえ、睡眠時ミオクローヌスとの区別が難しいことが少なくありません。
心配な症状がある場合には一度当クリニックまでご相談ください。
その際、可能であれば動作を撮影した動画があると診断に有用です。